読図山行~武蔵五日市の巨樹を訪ねて
- naky

- 10月2日
- 読了時間: 4分
【 日 時 】2025年9月21日(日)
【 場 所 】奥多摩/深沢山~南沢山
【 天 気 】晴れ
【メンバー】5名
【 行 動 】武蔵五日市8:00~まいまい坂8:20~8:33 ぐみの木峠 8:42~9:08 地蔵山 9:19~9:24 ためぐそ山9:30~10:14 深沢山 10:20~10:28深沢山北峰 10:35~10:56 千年の契り杉 11:00~11:20 山抱き大樫登口11:25~11:31 山抱き大樫 11:33~11:51尾根出合(昼食)12:15~12:29 御神燈 12:32~12:53 南沢山分岐 13:00 ~13:21 瀬音の湯分岐~13:24 不二見台(富士見台)~13:38 ヨコネ峠 13:39~14:29 十里木バス停 14:34~14:36 石舟橋 14:37~14:41 秋川渓谷瀬音の湯

紫陽花山で知られる南沢山散策路が含まれる一帯は、リーダーご夫妻の読図ハイキングコースのお一つらしい。ご夫婦の息の合ったガイドで楽しい、そして思いのほか歩き甲斐あるコースを堪能した一日だった。
晴れの日曜とあって賑わう武蔵五日市構内で落ち合う。ご夫妻は一本前にいらして待っていて下さった。予めGPXデータを送って下さっていたのでヤマレコ計画書に取り込み方を指南して頂くもののうまくいかず(後日、スマホでのヤマレコ操作はプレミアム会員のみの特典と判明)、今回は予め送っていただいた地形図(これもコース入りの入念な作り)を使用する。佐藤さんは国土地理院地図を出力して使用。 先ずはシルバコンパスの使い方から開始。方角を合わせ地図と実際に見えるものを同定。今回は駅前大通をランドマークに方角を特定した。そこからのトップを参加者が交替で行く。住宅地の中の細い道から登山路に抜ける道も意外と分かりづらく、「川べりに行くので下る道を探す」という呟きになるほどと納得。最近、Y〇〇〇Pルートを見ることに慣れ、先の地形を読むことを忘れていたことに気付く。住宅地から里山への道に変化していく中、季節の花に話が弾む。弾み過ぎて登山口を行き過ぎた。
リーダーのポーカーフェイスガイドの始まりだ。
あれ~?と思い引き返すも、これかな?いやこの脇道、と皆で行きつ戻りつし、辛抱強くヒントを出すリーダーの言葉に従いよくよく見れば、ついさっき「なんか登ってみたくなるね」と行き過ぎた獣道みたいな踏み跡の脇にやる気の無いペンキ文字の看板が。住宅フェンスと藪の隙間30センチ程の踏み跡だ 。 「えええ~?これ?!」と俄かには信じられない入り口だった。まさに、あ、やられたぜ、である。
足を踏み入れると、そこから先は立派な登山道になっていた。取り付きは難しい、特に慎重になるべし、という先人の教えを思い出した瞬間だった。
その後は順調に歩を進めていく…と思いきや、リーダーの細かい工夫が散りばめられたコースは意外なトラップも蜘蛛の巣も多かった。「さあ、どっちでしょう」と何でも無さそうなところで度々どっちの料理ショー(古い)が始まり、え、こっちだよね?このままでいいんだよね?と、自分を信じられなくなる時が度々あった。虎ロープの急坂のあとにあまり休みたくない蟻地獄だらけの休憩小屋も熟知していらして、聞けば前週に下見して下さったのとこと。本当に頭の下がる想いである。
今回のハイライトの一つ「千年の契り杉」は深沢山を少し過ぎた地点でトラバース路を下るが、リーダーが「この先の尾根から道の無い所も下れますよ」と一声。行きます!と私ともう一名。残りの2名は予定コースを降り、リーダーと三人で先を進む。「谷地形ですが、どこを降りたら良いと思いますか?」と地形図で考えるヒントを貰いながら、尾根から下っていく。薄い踏み跡が多く訪問者が多いようだ。「あまり右に寄り過ぎないで」の声に、沢沿いの脆い石地帯があることに気付く。少し右に寄っていたが、予定コースを行った2名の待つ大杉に到着。地形的に常に水があるせいなのか、人里近くにこのような巨樹が佇んでいるのは驚きだった。
沢沿いに下りきると人家の庭を通り抜けるようにして南沢山登山口に出る。ここではやはり読図中の先客チームがいて先に行ってもらう。オリエンテーリングの練習のようだったが、トレランでは読図は必修技術とのこと。確かに走っている間は地図を見られないし、予め先の地形を予測しながら安全に走るには念入りな準備が必要だろう。現在の会にはトレランをされる方が多いことも伺い、読図の大切さを改めて見直す機会が増えることは喜ばしいと思う。
山抱きの大樫は岩を抱くように根を張った巨樹で、登り切った稜線で風を感じながら諏訪さんのオレンジをご馳走になり昼食タイム。南沢山の少し手前から下り始めるが、後半はショートカットを度々リーダーから提案され、ちょっとだけ藪気分を楽しむ。お陰でちょっと遅れ気味のタイムも予定時間に追いついて登山口の店の手作りコンニャク田楽を楽しむことも出来た。

下山時、登山口に近付くにつれ何度か分岐を通過したが、今は廃道となったものもあり、里山歩きこそ地図が必携と再確認した。それ以上に、意外と不思議な地形をしているこの地を研究しつくして楽しいスポットを沢山用意しながら、マジックのような楽しいハイキングを準備して下さったご夫妻に心から感謝している。なお、リーダーは今回の山行をコンパスに提出し共有して下さった。様々なツールを駆使して安全登山を提起して下さったことも報告させていただく。【報告 T】




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